円形脱毛症とは、ある部分の毛が突然に抜けはじめ、気が付くと円形の脱毛斑が生じているという病気です。
多くは頭髪の脱毛として生じますが、眉毛、まつ毛、腋毛、あごひげ、すね毛などにみられることもあります。
痛みなどの苦痛を伴う症状はなく、後頭部などでは本人は気付かないこともあり周囲の人が先に気付くこともあります。
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頭髪が円形に2~3ヶ所単発的に抜けます。
一般的に一番多い症状と云えます。年令、性別関係なく発症するようです。自然治癒するものも多いですが、まれに多発型に移行することもあります。
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頭髪が多発的(数ヶ所)に抜け、繰り返しやすいのも特徴です。
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数ヶ所の脱毛部位がつながり、頭髪が全部抜けてしまう 症状です。
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頭髪が全部抜けて、まゆ毛・まつ毛・わき毛・陰毛・その他全身の毛が抜けてしまいます。脱毛症の中では1番重い症状といわれています。
単発型 は自然治癒する例が多く、その他は難治性の傾向があるようです。
髪が抜けることで、精神的にも大きな負担が生じます。特に学齢期のお子さんの場合、周囲の理解が必要になります。学校、特に担任の先生と連携を密にし、サポートしていただけるようお願いしましょう。
円形脱毛症の原因
原因として考えられているのは「自立神経障害」「内分泌障害」「毛周期異常」「自己免疫疾患」「感染アレルギー」等がありますが、現在では「自己免疫疾患」という説が有力です。
自己免疫疾患とは、外部からの侵入物を攻撃することにより私達の体を守っている免疫機構に異常が生じ、自己反応性の細胞や抗体が出現してきます。円形脱毛症は、Tリンパ球が毛根を異物と間違えて、攻撃してしまうことによって脱毛が起きるといわれています。
しかし、人間の持つ毛周期と同一の周期を持つ動物が存在せず実験が出来ないため、はっきりとした原因は確定していません。
毛周期と脱毛
毛髪は一定周期(男性で2~5年、女性で4~6年ほど)で発毛、脱毛を繰り返します。これが毛周期(ヘアサイクル)といわれているもので、1.成長期 2.退行期 3.休止期の3つの段階に分かれています。
ヘアサイクルが何らかの影響や原因で急に早まったり、ヘアサイクルの途中で抜け落ちたりといった異常が起きた時が、脱毛症状ということになります。